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2022.11.14

【実施レポート】現役アーティスト×学生アーティストがこれからの”働く”について考える「Art to____ (アートトゥスペース)」(2022年7月9日(土)開催)

「渋谷ヒカリエCreative Space 8/ COURT」にて、トークイベント「Art to____ (アートトゥスペース)」を 2022年7月9日(土)に開催いたしました。本記事ではトークセッション内の学生アーティストのお悩み相談コーナーの模様をお伝えいたします。

目次

・イベント概要
・イベント詳細
ダイジェスト動画
・出演者
・イベントレポート
ー【動いたもの勝ち!!!】
ー【作品をマネタイズする過程で、仕事の経験が絶対に活きます】
ー【心を売らずに作品を売る】

<イベント概要>

「Art to____ (アートトゥスペース)」はアートを学んでいる現役の学生の方や、働き方に悩んでいる社会人の方にとって、自分らしい選択肢を考えるヒントとなることを目指したイベントです。

学生アーティストの作品を展示するだけではありません。「現役アーティストと学生アーティストが考える、これからの”働く”について」をテーマにして、両者が語り合うトークセッションも実施しました。

 

<イベント詳細>

イベント名:「Art to____ (アートトゥスペース)」
日時:2022年7月9日(土)14:00〜18:00
会場:「渋谷ヒカリエCreative Space 8/ COURT」(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階)
イベントHP:https://www.hikarie8.com/court/2022/06/art-to.shtml
主催:合同会社別視点
協力:渋谷ヒカリエ Creative Space 8/

 

<ダイジェスト動画>

<出演者(敬称略)>

・斉藤音夢(東京都庭園美術館)

1993年北海道函館市生まれ。上智大学文学部哲学科卒業後、東京藝術大学院美学研究室にて「芸術作品と解釈」について研究。

2018年より公財東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京にてオリンピック・パラリンピックの芸術文化プログラム担当に従事。2022年より現職。公的機関における芸術文化事業の推進に携わる。

 

・菅沼朋香(生活芸術家 / 昭和レトロYouTuber)

1986年愛知県生まれ。2017年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。2017年より埼玉県の超高齢ニュータウンに移住しアートプロジェクト「ニュー喫茶幻」「空家スイーツ」を主宰。主なグループ展にあいちトリエンナーレ2013、六甲ミーツアート2016、 中之条ビエンナーレ2015・2017など。

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・波多野武(「@TORIGOE(アトリゴエ)」代表、東急プロパティマネジメント株式会社)

1985年鳥取県生まれ。2011年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。武蔵野美術大学大学院(油絵専攻)修了後、アルバイトをしつつ作品制作。アルバイト先(現在の所属会社)にて正社員となり、現在「渋谷ヒカリエ」の施設管理担当として勤務し、今に至る。作品展示以外に「@TORIGOE」としてアートワークショップなどの活動あり。
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・成田久(アートディレクター / アーティスト)

1970年生まれ。多摩美術大学、東京芸術大学大学院修了。1999年SHISEIDO入社。宣伝部所属。様々なブランド、企業広告のアートディレクションを担当。2013年キュキュキュカンパニー設立。NHK大河ドラマ「八重の桜」のイメージポスターのアートディレクションを担当するほか、多数のアーティストのCDジャケットやMV等も手掛ける。国内外で展覧会を開催。現ビューティークリエイションセンター所属。SABFA講師。
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【学生アーティスト】

・佐藤寧々(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科3年)

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・近藤茉由(武蔵野美術大学造形学部日本画学科4年)

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・並木 咲(多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻3年)

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・司会進行:松澤茂信・今井夕華(合同会社別視点)

 

【動いたもの勝ち!!!】

司会:それでは佐藤さんから、ご自身の作品と悩みについてお話いただけますか?

 

佐藤寧々さん(以下:佐藤):私は作曲やアニメーション制作、イラストを描いたりしています。「やりたい時にやりたい表現をそのままやってみよう」という感じで活動しております。

昨年の10月頃に色々ありまして「自分はクリエーターとしてやっていくんだ」という気持ちを固めました。

将来は私の世界観を全面に出した作品を気に入ってくださった方に買ってもらったり、クライアントの意見を聞きながら自分の作品を作ったりしてお仕事をしていきたいと思っております。その中でもクライアントさんとどのように働かせていただくかが悩みです。

 

佐藤:クライアントさんから依頼をいただく時は、自我を出さずに先方の意見をそのまま出力しないといけないと思うんです。作ってから「あれ、なんか違うな」となると申し訳ないので。

とはいえ人気の作家さんは、その人独自の作風だからこそリピートしてもらっていのだとも思います。そこで自我を出しつつクライアントさんにも納得してもらうような作品を制作し続けるために、みなさんがどのような工夫をされているのかお聞きしたいです

 

司会:クライアントというキーワードが出てきましたが、成田さんに伺ってもよろしいでしょうか。

 

成田久さん(以下、成田):大学3年生の口からクライアントって言葉が出てきたことにビックリしちゃいました(笑)。僕が学生だったときには、そんな言葉を使わなかったので。

 

成田:大学生の時は正直、人のことなんて気にしてませんでしたよ。大学生の時は人の為に作るって言うよりは、積極的にコンペティションに出してました。当時はリクルートなどのコンペティションがたくさんあってので。

だから学生時代は自分なりに、色々なことをちょっとずつやってみれば良いと思う。自分のことを例に出させてもらうと、僕は実は自分に飽きたくないタイプなんです。ケーキも好きだし、夜遊びも好き、田植えも好き、こう見えて無印良品も大好き、それでいてラインストーンのような派手なものも好き。

今の若い世代の人達には、発信する場所がすごくありますよね。もちろん、だから大変な面もあるわけですけど。僕が今の若い人だったら、YouTuberとか超やってみたい(笑)!

佐藤さんは曲も作れるし映像も作れますよね。クオリティが高いから、「習いたい!」と思っちゃいました(笑)。僕だったら好きなミュージシャンのPVとかガンガン作って、売り込んじゃうかも。僕はそういうタイプだったので。コンペティションで審査員にドンドン見てもらったりとか、「次こういうことやりたいんです」とか凄くハッキリ言ってました。

「動いたもの勝ち」な面があると思うし、表現なんて自由なんだから。そもそも先駆者も最初はみんな初心者だったんだからね。例えばBTSだって最初からBTSだったわけじゃない。下積み大事(笑)。

だからちょっとずつ色々なことに挑戦しつつ、「”ぴあ”のコンペに出してみたい」みたいな目標を立ててもいいんじゃないかなとも思います。そういうのがあるとモチベーションになるし、自信にもなるんじゃないかな。時々賞金ももらえるし(笑)。

 

司会学生時代は自我を確立させたり、ひたすら押すことが大事ということですか?

 

成田:そうそう。以前に弊社のブランドで、学生対象のコンペをやったのね。そこに出てた何人かは、今でも超頑張ってる。僕は審査する側だったけど、次のクリエイターを発掘するのがすごい好きなんです。

それに自分も上の世代から選んでもらった側なので、恩返しじゃないけど、若いフォトグラファーさんとかスタイリストさんとかに、インスタ経由でお願することもあります。

だからそういう人の目に触れられるように、自分のメディアで表現をドンドン発信したらいいんじゃないかな。図々しいくらいが丁度よいと思うよ(笑)。

 

司会:佐藤さん。成田さんのお話を聞いてどうでしたか?

 

佐藤:色々なところに発信して一つでも芽が出たらいいな、と私も思っていたところです。これから頑張ります!

 

司会:ぜひ頑張ってください!ここで菅沼さんにもお話を聞いてみたいと思います。作品における自我の出し具合について、いかがお考えでしょうか?

 

菅沼朋香さん(以下、菅沼):そうですね。まずは佐藤さんに質問をさせてください。色々な表現方法をされていると思うんですけど、表現を通して伝えたいことはあるんですか?

 

佐藤:その時々で変わります。今回展示させていただいたアニメーションは、キャラクターに全てを任せて、偶然にできたものが面白いんじゃないかという実験でした。

 

菅沼:なるほど。 例えば私は昭和の良さを伝えるために、アート作品を作っている側面があります。でも佐藤さんはそういうタイプではなくて、ものづくりが好きで、自分の中に溢れ出てくるものをドンドン創りたいっていう感じですか?

 

佐藤:そうですね。一貫したテーマというのはあんまりなくて。何かしらの動物だったり、モンスターだったりが出てくるということはありますが。その時やりたいことを全部やっている感じです。

 

菅沼:クリエイターになりたいっておっしゃってたと思うのですが、つまり現代美術のアーティストは目指さないという認識で良いですか?

 

佐藤:最終的には、やりたいものだけでお金をいただいて生活していくっていう夢があるんですけど、現実味がないと思っています。自分の作品を作りつつ、お仕事もいただきながらお金をちょっとずつ集めて生活費になれば良いと考えています。なのでアーティストとクリエイターの両立を目指している感じです。

 

 

菅沼:なるほど。もし現代美術のアーティストも目指すということでしたら、多分一番ストレートなのは美術コレクターの人に作品を買ってもらうことだと思います。ギャラリーに所属して、そこのお客さんに買ってもらうということです。

とはいえ私自身は、そういったことに対する興味が薄かったです。そこで、昭和レトロのYouTuberになって自分の作品を見てくれて、さらに買ってくれる人を積極的に作ろうと思いました。

なので佐藤さんの場合もギャラリーに所属してもいいですし、自我を出した佐藤さんの作品が欲しいというお客さんと出会える場をつくるのも一つの手だと感じます。なので今SNSで発信されているというのは、物凄く良いことだと思いますよ。

 

司会:たしかにSNSのフォロワーさんの中に、将来的にクライアントになってくれる人もいるかもしれないですね。成田さんもおっしゃってましたけど、まずはドンドン発信すると良さそうだと聞いていて思いました。

 

斉藤音夢さん(以下、斉藤):一言だけよろしいでしょうか。佐藤さんはアーティスティックなアニメーションを制作されているとのことですが、実はその分野でやりたいことをやれて、お金ももらえる環境が整っている国があるんですよ。それはフランスです。

 

一同:へーっ!

 

斉藤:フランスはアニメーション産業が凄く盛んで。アーティスティックなアニメーションを作る方に対して国から補助金が出ます。もちろんその代わりにお仕事としての作品作りも求められますが、それは三カ月位の期間で仕上げしまうんです。そしてそれ以外の期間は、全部自分の作品制作に使えるという環境が整備されいます。

なので現在の日本の環境だと難しいのであれば、他の国を調べてみるのもアリかもしれませんね。

 

佐藤:新しい視点をありがとうございます。

 

成田:日本だけを視野に入れなくてもいいからね。あなたたち世代は地球規模で考えてみて(笑)。 

 

司会:それでは佐藤さんのお悩みは、ここまでにしたいと思います。ありがとうございました。

 

 

【作品をマネタイズする過程で、仕事の経験が絶対に活きます】

司会:続いて近藤さんの作品の紹介と、お悩みをよろしくおねがいします。

 

近藤茉由さん(以下、近藤):よろしくお願いします。私は現在武蔵野美術大学の日本画学科に所属して、絵画作品を主に制作しています。日常で生まれた視覚の情報や人の記憶などを画面の中で構成できたらと思いながら、作品を作っています。

日本画というと岩絵具を想像される方も多いかと思いますが、私はあまり画材にこだわりません。コラージュだったりとか、ろうそくなども使います。

私は現在大学4年生で、大学院進学を考えています。大学院を出た後の仕事として、アートを支える仕事にすごく興味を持っています。中でも学芸員に興味があるので、実際のお仕事内容について詳しくお聞きしたいです。

 

司会:斉藤さん。専門分野だと思いますので、いかがでしょう?

 

斉藤:実は私は今年の4月から業務を始めたので、本当に短い期間での答えになってしまいますので、その点をご了承下さい。

 

斉藤:学芸員はやはり入る時はすごく狭き門で、自分の専門分野にドンピシャのところじゃないと採用されにくいです。それにいざ働いてみると、自分の専門が必ずしも活かせるとは限りません。専門外の企画展を担当することが、実はほとんどなんです。この点に気をつけないと、実際に学芸員になってから「思ってたのと違う」という事態になりかねません。

 

司会:さっき打ち合わせで伺ったら、自分の専門の展示ができるのって一生に一回あるかないかみたいな話があり、学芸員の資格をとるのも大変だし、就職も大変なのに、その上入ってからもそんな大変なんだって思いました。

 

斉藤:そうですね。今、蜷川実花展を当館で開催しているのですが、担当している学芸員の専門は「日本の書」なんです。その方は先輩なんですけど、すごく大変な思いをしながら担当されています。ただ最初のうちは、全部の展覧会のサブに入って経験を積むという方法もアリです。

なので色々なことに楽しみを見出すマインドがあれば、学芸員という道もありだと思います。

 

司会:近藤さん、聞いてみていかがですか。

 

近藤:どんな職業にもギャップがあることは、覚悟していました。マインドに関しては何とかなると思います。

 

斉藤:じゃあ、大丈夫ですね(笑)。

 

司会:近藤さんは、大学院に進むことに迷いは無かったんですか?

 

近藤:それほど無かったですね。アーティストとしての土台作りは4年間では足りなくて、大学院で何か残せたらなと思っています。

 

司会:打ち合わせの時に、デザイナーのお仕事にも興味があるとお話されてたと思うのですが?

 

近藤:はい。大学院進学の際は、日本画学科に限らず、デザインも学べる学科を選ぶのも良いなと思っています。学部で日本画を選んだ理由も高校時代に油絵や彫刻などに触れたので、まだやったことのない日本画に挑戦してみようと思ったからなんです。

 

司会:では今は、幅広い視点で考えている感じなんですね?

 

近藤:そうです。

 

司会:さきほど、アニメのアーティストはフランスだと生活しやすいというお話がありました。もしもアーティストとして生活できそうだったら、どうしますか?

 

近藤:うーん。とにかく一度働いてみたいですね。現在はアトリエにこもり切りで、ずっと絵を描いている生活なので、もうちょっと社会に出てみたいと思っています。両立できたらいいですね。

 

司会:波多野さんは働きながら作家活動をされていると思うのですが、両立についてどのようにお考えでしょうか?

 

波多野武さん(以下、波多野):お金と時間のバランスが重要だと思うのですが、学芸員さんの勤務状況ってどうなんですか?

 

 

斉藤:当館は都立の美術館なので土日休みが基本なんですけど、展覧会開幕直前はもう土日なんてないですね。

 

波多野:美術館ってだいたい月曜休みだと思うのですが、展覧会直前以外でも土日に出勤しているんですか?

 

斉藤:そうですね。月に2回ぐらいは当番で、土日どちらか出勤する時もあります。

 

波多野:なるほど。仕事と制作活動を両立させたいなら、学芸員さんもやはり良さそうですね。ワークライフバランスを考えながら、他にも色々な仕事を調べても良いかもしれません。

仕事もやってみると結構面白いですよ。特に作品をマネタイズする過程とかで、仕事の経験が絶対に活きると思います。申請書を書いたり、資料を作ったり、メールで連絡したりとか。いわゆるビジネスマナーがキッチリできていないと、先方から「なんか違うな」みたいに思われてしまいかねません。美大を出た人の中には、その辺りの意識が薄い人がいたりすると思うので…。

 

近藤:ありがとうございます。参考にさせていただきます。

 

司会:それでは、こちらで近藤さんのお悩みコーナーを終わりたいと思います。ありがとうございました。

【心を売らずに作品を売る】

司会:続いて、並木さんの作品紹介とお悩み相談をお願いします。

 

並木咲さん(以下、並木):よろしくお願いいたします。私は多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻に所属しています。中学一年生の頃から油画がずっと好きで、そのまま来ちゃったという感じです(笑)。

作品には特にモチーフは設定せず、自分にとって絵を描くとは何なのかをずっと探しながら描き続けている感じです。絵を描いていたことで今回のイベントに呼んでいただけたように、絵という存在によって自分が社会と繋がっていられて、絵にすごく支えられています。

悩みなんですけれども、私も進路の悩みです。 大学院に行きたいと思っているんですけど、卒業後に作家としてやっていくにはどうしたら良いだろうかと悩んでいます。売るための絵を描くというのは、自分にはあまり合わないと思っていますので。でも絵を描いて生きていきたいし、絵を本職にしたいという思いもあります。

 

司会:菅沼さんいかがでしょうか?

 

菅沼:村上隆さんの「芸術起業論論」に大学を卒業してからどうすれば良いかが書かれているのですが、やっぱり「ギャラリーに所属する」って書いてありました。自分に合うギャラリーを探して売り込んで、そこに属して定期的に個展をやってお客さんに絵を買ってもらうということですね。

 

菅沼:多分、それが王道なんだろうなと思います。でも私は、ギャラリーの所属する理由を考えたんです。そして出た答えが「ギャラリーにお客さんがいるから」でした。ということはギャラリーに所属していなくても、自分から買ってくれるお客さんがいれば、オッケーなわけですよ。

現代だったらギャラリーに所属していなくても、SNSを通してファンになってくれた方に直接販売しやすくなっていると思います。

 

司会:菅沼さんの場合はギャラリー所属せず、ご自身で喫茶店を開くという形でファンを増やされていますね。「ファンを増やして自分の作品を買ってもらうぞ」っていう目的が当初からあったんですか?

 

菅沼:実はそこまでは頭が回っていなかったです(笑)。喫茶店を開いちゃったのは、表現だったんです。ただただやりたくて実際にやってみたという感じでして。月にモーニング2回とバーを2回ぐらいの計4回しか開けていないので、完全に自分の表現です。

 

司会:ではYouTubeを通してファンになってくれた人に、自分の作品を買ってもらうというのがメインなのでしょうか。

 

菅沼:そこなんですけれども、私は占いとかもやってまして。色々と占ってもらった結果、自分はマネタイズの能力がないってことに気づきました(笑)。

 

司会:占いで気づいたんですか!

 

 

菅沼:努力はしたんですよ!私は結構頑張り屋なんです。起業大学っていうところまで行って、ビジネスの勉強もしたんですよ。だけどマネタイズしようとすると、表現が悪くなったりとか面白くなくなったりとかして…。

それで自分の中で考え続けた結果、こういうプランを考えたんです。お金にはまだなってなくても、ファンがいれば「ファンをお金にしませんか?」みたいな人が向こうから来るのではと…。

 

司会:それって悪い人じゃないですか!大丈夫なんですか(笑)。

 

菅沼:大丈夫です!そこはしっかり見極めて、良い人とだけ付き合っていきます。とはいえ今は、まだまだファンの拡大をYouTubeで取り組んでいる段階です。向こう2年間は、ファンを増やすことにだけ集中しようと思っています。それで生きていけると信じてます。

 

司会やっぱり信じることが、何より大切ですね!よかったら、お金面について可能な範囲で聞かせてもらえますか?

 

菅沼:はい。支出なのですが、ちょっと古い家をもう買ってあるので家賃はかかっていません。収入面に関しては、YouTubeの広告収入が月数千円位ですね。あとは週に一回、町おこし関係のアルバイトをしております。コロナの助成金とかもいただいたので、あと2年ぐらいは自分のファンを増やすことに集中できそうです。

もし本当にもうお金がなくなったら。 その時は占い師になろうかと思っています。人生の最期には占い師になりたいと思ってるので。一度きりの人生なので、いろいろやって時間が流れていくよりも、「これだ!」と思うことをやっています!!

 

司会:成田さんは個人事業主をされていますが、マネタイズについてどのようにお考えでしょうか。

 

成田: お金のことは絶対に考える必要があるけど、それ自体は悪いことではないと思う。僕は会社に入った当初は「クリエイターとしての自分を捨てた」って、思っちゃったんですよ。その頃って「就職=悪」みたいな空気があったので。

でも、あるシンポジウムに登壇した時にボランティアの女子大生たちが僕に殺到したの。話を聞いてみたら、当時僕がプロモーションしてすごい評判が良かったシャンプーを使ってくれていたのね。

そういう経験をして「売れることって、愛されることなんだなぁ」と考えるようになってから、気持ちが楽になったかも。人は誰だって、気に入らない物にはお金を出さないからね。

 

並木:ありがとうございます。 生活するためにお金を稼ぐとか、売るために絵を描くことは悪だと考えていましたが、「お金=愛」という点が刺さりました。

 

成田:それは良かったです(笑)。

 

司会:斉藤さんにもお話を聞いてみたいのですが、アートを支える立場からコメントをいただけますか?

 

斉藤:ある作家さんが「心を売らずに作品を売る」とおっしゃっていました。まだ学生なのだから「他者からどう思われるか」ばかりを気にするのではなく、「これが私」というものを打ち出してみてはどうでしょうか。今しかできないことだと思いますので。

そしてその気持を大切にして、突き進んで行けばいいのではないでしょうか。支える側の私も、そういう想いを持った人を見守りたいと思っています。